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執筆者の写真柴山信広

古典主義絵画の巨匠アングルがプロジェクターでトレースをしていたかも。

フランスのアングル は美しい小さなデッサンを大量に残している。

彼は「絵画における最大の構成要素はデッサン力であると考えていた」というのが大方の美術史家の考えです。

アングルがデッサンの達人かというとそれはそうなのですが、ひょっとしてカメラ・オブスクーラとは違うコンパクトな装置をデッサン用に使っていたかもしれません。

しかしそれがもしかしたら当時のハイテク技術であるプロジェクターのようなものを使っていたかもしれないと言われると驚きますよね。

いやいや、オランダのフェルーメールがカメラ・オブスクーラを最初に使ったのは最近の展覧会ブームでのテレビ番組でも光学器械特有の効果等がその絵にはあるので多くの学者が指摘して、その根拠を特集されていましたので知っていましたが。

この考えは絵画や絵描きを冒瀆する考えだと言うかもしれませんが最近ではあのデビッドホックニー氏が解明し始め論争を呼んでいます。

ヒョしてアングルだけではなくその他大勢の画家が密かに密室の工房で使っていたノウハウなのかもしれないものがカメラ・ルシーダという装置。ラテン語で「照らされた部屋」という意味だそうですが、このカメラ・ルシーダは電源も要らなく持ち運びが出来るコンパクト設計で成り立つ一種のプロジェクター。

http://physics.kenyon.edu/EarlyApparatus/Optics/Camera_

Lucida/Camera_Lucida.html


画家が対象物である人物や風景の前に机等を置き、その上に紙をピンで留める。その机の端に固定して使うのがカメラ・ルシーダだ。これは原理的にはプリヅムで正面からの画像を受け取り下の紙に映し出すという画期的なもの。これを使えばまるで紙にプロジェクターで写され時とほぼ同じ状態が得られる。横尾忠則氏が良くプロジェクターで写して直接輪郭線を書き出して僕は驚きましたが、このやり方と同じ技法に成っていた訳です。

しかしカメラ・ルシーダは動かない画家の目の前でしかその像を結ばないので、机の上の紙からは離れることができませんでした。しかも無理な姿勢を維持しなければ成らないので正確な輪郭をなぞるペンのスピードが求められます。ですからアングルのデッサンは小さなサイズが多いのでは、というのがデビッドホックニー氏のご意見です。

よく美術の時間では「古典を範と仰ぎ、絵画制作の基礎を尊重しなさい」と言われ昔の画家はなんてデッサンが超うまいのだろうと沁み込まされてきましたが、もしかしたらこのハイテク補助装置を使っていたかもしれませんね。

でも、こんな装置によって紙に映し出されるコトが知れ渡ったら、当時は魔法使いだとして火あぶりに成っていたかもしれません。そんな事もあってマル秘扱いで資料が残っていなかったのかもしれませんね。

私も今度、海外の骨董品屋で見つけてみたいですね。


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