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執筆者の写真柴山信広

『8,000m峰全14座の初登頂記録---インフォグラフィックス』

竹内洋岳氏の8,000メートル峰全14座登頂達成というニュースにちなみ、14座初登頂記録のインフォグラフィックス制作に挑戦。今回はすべてウィキペディア、「8000メートル峰」のデータをソースにさせていただきました。

まず「8000メートル峰の一覧 」という表に全14座のデータがありました。こうしてみると当たり前ではありますが、すべての峰がヒマラヤ・カラコルム山脈のものです。でも峰の所在地に関しては、複数の国が領有権を主張したりして確定できないところもありますので、そういう場合はカッコで表示しています。

山名、標高、所在地、初登頂という項目の後に、予想はしていなかったのですが冬期初登頂のことや挑戦者数、死亡者に関するデータもありました…。

門外漢にとっては夏か冬かにはあまり関心はないのですが、挑戦者数、死亡者数などに関しては、この記録がいかに困難なことであるか、いかに大変な犠牲の上に成り立っているかを実感するためには、有効なデータだと考えて組み込んでいくことにしました。

ここではフィーチャーしていませんが、この挑戦者数と失敗数のデータを扱うだけでも、また別の興味あるインフォグラフィックスができそうです。死亡率の差は結構大きく、最大のアンナプルナでは40.77%にもなり、最小のチョ・オユーでは2.5%でした。

成功と失敗を人型のピクトグラムで表現することにしました。

当初デザインでは、失敗のピクトが単に遭難者のように見え、「遭難死」に結びつかないので、グラデーションまで使ってはっきりと「死」をイメージするものに変えてみました。

しかしそうすると今度は、国旗との色の調和、左右のウエイトバランスなどが乱れ、かつ「死」の深刻さの表現に少しここだけ違和感がを生まれてきたように感じたので、さらに修正。結果、図の右のものに落ち着きました。



データをまとめていくうちに、最初の登頂がフランス隊の1950年、最後の登頂が中国隊の1964年でちょうど14年間ということに気づき、これをタイトルにすることにしました。

そういえば某インフォグラフィックスに関するインフォグラフィックスで、タイトルのワード数は平均4.36ワードというデータが出ていましたが、それに近いですね。


さらに下、「全ての8000メートル峰の登頂に成功した人物一覧 」に29人の名前がありました。29番目はもちろん竹内洋岳氏です(ウィキペディア、早い!)。

ここには何年から何年の間に達成したかという数字もありましたが、これは達成年だけに絞る。そしてこれをもとに「14座制覇国別順位&達成人数」を制作。竹内氏は個人としては世界で29番目なのですが、国単位でみると、イタリアを筆頭に、同じ国でも何人か達成者がいたりしますので、日本は15番目の達成ということがわかり、今回はそのような見方で15カ国に絞ってまとめることにしました。イタリアの5人にも驚きましたが、韓国の4人はさらに刺激を受けました。

このインフォグラフィックス制作のきっかけとなった竹内氏の名前が、最後の最後にようやく出てくるということになってしまいましたが、どうかお許しいただきたい。機会があれば、世に多く出回っているスティーブ・ジョブズ氏の業績インフォグラフィックスのように、彼の全14座登頂記録というものが制作できればと思います。

さらに下には「論争中の人物」という表などもあり、なかなか興味をそそられるのですが、今回はパス。またの機会にします。そして、最後に14座の写真が公開されています。ここに紹介されているのはすべて、パブリックドメインのものでしたので、ありがたく利用させていただきました。

◎主なデザインのポイント

・登頂の記録を降順時系列で並べるのだが、年数字を垂直に並べるのではなく、登山ルート図のイメージにダブらせてジグザグに並ぶ山の写真を構図の柱に。

・登頂者のピクトと国旗と年数字、登頂者名をひとまとめにして歓喜のグループとし、もうひとつを、山名、標高、所在地、失敗(死)のピクト・死者数・死亡率にし、厳しさのグループとした。

・タイトルリボンは地上とは違う高山から見える濃い空のイメージに。

・国際競争の場なので、国旗を効率よく使用。

・背景に雪渓をパターン化したものを薄く配置して雰囲気を盛り上げる。

最後にクレジットを付けて完成。

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