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脳波

shibayama
works

​脳波

私の作品は脳をテーマにしています。いかに刺激を脳に与えるかということはいままでの私の中の興味の素材でした(例えばシンクロエナジャイザーやトッドラングレンのスクリーンセーバー、ホロフォニクスサウンドなど)が、刺激に対してどういうような脳の状態になるのかというようなことも興味の対象になってきました。つまり脳を中心とした入力と出力の関係と言ってもよいと思います。それを行なうためには客観的に見て第三者がわかるような方法論が必要だった訳ですが、コンピューターと脳波計という新しいテクノロジーがそれを可能にしてくれました。今回のビデオ作品は私の脳波の中の日記の一部を使用したものですが、アルファー波が出ると、あるサウンドが鳴り、ベーター波やデルター波が出ると、その時の脳波の強さに応じたサウンドが出るようになっています。これで第三者が客観的に私の気持ちを音楽のようなものでわかるようになれるわけです。この装置のことをわたしはブレイン・ボイスと名付けました。この装置を使用するときに私の脳はコンピューターに半分電磁波を通して移植した状態となります。私の様な人間がたくさん出てくればネットワークを通して、情報ではなく、感情を交信しあえる時代が来るでしょう。しかもこの時は脳そのものがインターフェイスとなっているので、キーボードやマウスを使わない時代となっていることでしょう。今回の作品は時代へのメッセージなのです。
 
​日経ジャーナルより
アトリエではよく黒い烏帽子を額につけている。脳波の計測器だ。計測された脳波をコンピュータが広告とモニター上に描き出し、同時に即興の環境音楽に変換する。 人間ドックに入ったとき、意志に関係なく思わぬところで変化する脳波のグラフを見て、自分の中に自分も知らないものがあることに驚いた。それ以来、自分の脳波をモチーフに CG(コンピュータ・グラフィックス)の作品を作り出している。

 「脳を開放してあげているんです」

 作品には脳はグラフをそのまま表したものもあるが、計測器を付けた時、脳裏に浮かぶ光景 を描いた瞑想的なものが多い。目をつぶると、日の差し込む林、小川、その中から現れる手 ——などのイメージが鮮明に見え、脳が潜在的に持っている記憶を、ふだんいかに閉じ込め てしまっているかがよくわかるという。

 「僕たちはネクタイを選ぶ、速い列車を作るといったことに脳を使っているけれど、脳が本当に欲していることは別だと思うんですね。そこでこうやって、脳がしたいことをさせ、脳 が心地よい状態にしてあげるんです。それで本来の人間のペースを取り戻せるのだと思う」 脳波計測は、人工的な概念の束縛を脱し、今現在を生きる生身の自分を見つめようとする試 みなのだ。

 古来、多くの画家たちが自分とは何かを問いながら自画像を描いてきた。脳の見 せる夢や波形をそのままに受け止めたグラフィックもまた、新しい自画像の一つに違いない。        日経ジャーナル

柴山の脳波とCG

Produced in 1993

1991年10月6日柴山信廣の脳波CG

Produced in 1991

Interactive Brain Analyzer とShadeで1991年に作り上げたもの。

脳波を取り出すカスタマイズIVA
柴山記念写真と矢崎さんとIVA

Interactive Brain Analyzer (IVA)をデザインのみ改良したもの。

Produced in 1993

Produced in 1993

IVAの社長 Random Electronicsと1993年の電通ギャラリーにて。

Brain Voise

IVAによる脳内音楽 🎶 ブレイン・ボイスは0:55から開始。

脳という自己の再生

脳をメディアとした脳波音楽🎶とCGによるアート

パーソナルコンピューターとそれにつなげて使用するブレイン・アナライザーを応用した新しいアートを紹介する。脳波というもの自体をサンプリングするという行為に始まり、脳波データによってコントロールする音楽、脳波のグラフを作家のCG版画にサインとして使用している実例、さらに脳波の棺桶などについても紹介する。後半はこのアナライザーの構造と表現方法について紹介し、終わりにこれからの脳波の時代に対する展望を述べる。 

 

1 前文

コンピューターの簡単な脳波計がわたしたちアーティストにも手が届くようになった。私はこれを手に入れる事により脳波のサンプリングということを思い付いた。なにか行動や思考が多少なりとも脳波に影響を与えているのであれば脳波の波形は最もダイレクトな感情の記述装置になるのではないかと考えた。もしそれがそうだと仮定するならば、肉体というレベルを超えたところでわたしの魂は永久に磁気装置によって記憶されることになる。もしくはその可能性がある。私は新しい形の日記として脳波を採りつづけた。一日一枚のフロッピーディスクのなかに、生活しているなかのあらゆる刺激のなかで、短いもので数分、長いもので数時間、バラバラだが出来るだけ採ることにした。そしてその毎日毎日積み上がっていくフロッピーディスクを眺めていると、実体をもって私自身に近づいて来た様な気がしてきた。

 

2 脳波による音楽・・・・・・ブレイン・ボイス

私の作品は脳をテーマにしています。いかに刺激を脳に与えるかということはいままでの私の中の興味の素材でした(例えばシンクロエナジャイザーやトッドラングレンのスクリーンセーバー、ホロフォニクスサウンドなど)が、刺激に対してどういうような脳の状態になるのかというようなことも興味の対象になってきました。つまり脳を中心とした入力と出力の関係と言ってもよいと思います。それを行なうためには客観的に見て第三者がわかるような方法論が必要だった訳ですが、コンピューターと脳波計という新しいテクノロジーがそれを可能にしてくれました。その仕組みは後ほど述べる事としますが、今回のビデオ作品は私の脳波の中の日記の一部を使用したもので、アルファー波が出ると、あるサウンドが鳴り、ベーター波やデルター波が出ると、その時の脳波の強さに応じたサウンドが出るようになっています。つまり、計測された脳波をミュージックスコアーとみなしており、これで第三者が客観的に私の気持ちを音楽のようなものでわかるようになれるわけです。この装置から出るサウンド・アートのことをわたしはブレイン・ボイスと名付けました。

 

3 デジタル時代における脳波のサイン

ブレインボイスのほかにも、私はCGの版画を制作しています。このCGは動画ではなくて、手に取って見たり、立ち止って見たりするための3次元のレイトレーシングで作った天地左右8000ピクセル程度の版画です。私はこのCGを制作するときやアイディアを考えたりするときが好きですが、こういう時に、脳波を計っていたりします。そして終わった時に、絵の端に、そのときに計った脳波をデジタル時代のサインとして入れています。つまりこの絵のなかには私の絵にかかわった時の何らかの時点の気持ちも入っているわけです。

 

4 脳波の棺桶

このように私の作品は脳波をモチーフとしているのですが、この脳波はあの世に旅たたせるものではないだろうか。今や脳波を

​棺桶に入れてみたらどうなるだろうか。

脳波サウンドm4aArtist Name
00:00 / 03:11
柴山のIVAで備前アートフェスティバル

1994年にIVAを改造したインターフェイス。『岡山備前アートフェスティバル』を開催。

Produced in 1994

備前アートのCG.1994年

Produced in 1994

『岡山備前アートフェスティバル』のCG。

00:00 / 00:52
雑誌ブルータス。埋葬されていた脳内観光写真の発掘。

​マガジン:ブルータス

Produced in 1993

雑誌ブルータス、ギャラリー。埋葬されていた脳内観光写真の発掘。

脳を半分コンピュータに移植した状態で旅に出る。人間はいずれ脳波を通じて感情を交換し会える。今、私は半年間の脳波の記録を再生する。脳波の棺はその●である。そこに広がっているのは過去通り過ぎていった私自信の気持ちだ。半年間の脳波の記憶の中を旅し、のぞき込んだふたつのシーンを取り巻く1枚の脳内写真に過去幻影を見る。その時、過去の気持ちは●●●となって蘇生する。交換系の階段、見張りの塔を巡り、象や蛇に巡り逢いながら、私は脳波の時代に足を踏み入れていく。その時、私の脳は巨大なネットワークの中に生物的な時間軸超えた渋滞で踏み込まれていくのだ。

上の雑誌の十字にレイアウトされた物は脳波の棺とCGのアート2点と塔のコブラと像。この脳波の棺にはフローピディスクが185枚入っていて、半年分の僕の脳波を記録させた棺である。これは重量が相当重たくフロッピーが無くても60kgで高さは1m40cmほど。中は真鍮で区切られたフロッピーの区切りが付けられいる。蓋が着いていて丸い窓の周りは真鍮で保護されて僕の脳波に手が付けられ無いようになっている。そして鍵がつく穴を作った。

しかしこれは総務省のSDGsに似ている​。外務省もである。これは2050年の目標だ。仮想現実の世界である。脳にコンピュータをつなげた世界も出てくる。ムーンショットの話も。さてここで雑誌の棺の周りの6つのCGではあるがこれは実際にShadeというプログラムで描いたものである。

埋葬されていた脳内観光写真の発掘。

Produced in 1993

スクリーンショット
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